三月
171.[土足(花瓶と過敏)] ミックさんの歌からは父の匂いがしない<br>母が全面的に出てくる<br>だからといって父の不在がそこまで際立つこともない<br>タルコフスキーのように父を追いかけ続けようとしないし<br>ベルイマンのように拒絶し続けることもない<br>そこには雪が降り、風が吹いている<br><br>しかしここぞという場面で<br>ミックさんは男性性に対して予防線を張る<br>予防線というよりは魔除けなのだろう<br>魔除けとしてそこに大きな子どもを置く、恐れとともに<br><br>一貫しているのは<br>“いる”ものは“いる”ものとして<br>“いない”ものは“いない”ものとして扱うということ<br>世界を“そのまま”見ているのである<br><br>私がミックさんに憧れ、甘ったれているのは<br>まさにその点だ<br><br>花を見てきれいだなと思う<br>生ける花と生ける人<br>花瓶と過敏<br>水をかえて、花を挿す 03/10 12:19 PC PC
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