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“私の言う「痛み」とは、人から愛されないこと、認めてもらえないことです。自分が変わるためには、本当の痛みや悲しみを体験するしかないと思います。ただ、表面だけの悲しみ、見せかけだけの痛みもあります。こうした気持ちは、むしろ自分を憐れむこととかかわっています。これは、本当の痛みから目をそらすものです。自分自身の行いに目をふさぐ試みでしかありません。 ーそこで責任の問題になるわけですが、自分を憐れむことは、責任を拒否することだというお考えですね。責任を引き受けると、痛みを覚悟しなくてはなりませんから。 そのとおりです。責任を引き受けるとは、もともと意図したわけではないのに他の人に痛みや苦しみを与えていると認めることです。 ー痛み、悲しみ、責任。これらを通らなければ、自分に到達することができないし、「自分の中の他人」を見いだすことができないのですね。” (『人はなぜ憎しみを抱くのか』アルノ・グリューン 、上田浩二・渡辺真理 訳 、集英社新書)
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