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ミックさんの歌からは父の匂いがしない 母が全面的に出てくる だからといって父の不在がそこまで際立つこともない タルコフスキーのように父を追いかけ続けようとしないし ベルイマンのように拒絶し続けることもない そこには雪が降り、風が吹いている しかしここぞという場面で ミックさんは男性性に対して予防線を張る 予防線というよりは魔除けなのだろう 魔除けとしてそこに大きな子どもを置く、恐れとともに 一貫しているのは “いる”ものは“いる”ものとして “いない”ものは“いない”ものとして扱うということ 世界を“そのまま”見ているのである 私がミックさんに憧れ、甘ったれているのは まさにその点だ 花を見てきれいだなと思う 生ける花と生ける人 花瓶と過敏 水をかえて、花を挿す
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