" 「家族は社会の最小構成単位」などといわれるが、家族はまるで社会のゴミ処理場だなあ、と思うことがある。負の部分も腐った部分も引き受けて、社会を底辺で支えているのが家族なのだ。どんな社会にも非合法地帯が必要悪として存在しているが、家族もそんな役割を担っている。なぜなら、家族は治外法権であり、無法地帯だからである。 家族の中では、外の世界では犯罪とされていることが平然と行われている。性犯罪、暴力、窃盗などのあらゆる犯罪が許されている。社会が自由競争を煽り、自己責任を強調し、規律を強化すればするほど、人は家族の中でガス抜きをするようになる。ガス抜きをするのは男であり親であり、女や子どもはその犠牲となる。家族は社会の安全弁として機能しながらも、ますます無法地帯化し、DVや児童虐待が繰り返されるようになるだろう。 それらを放置し黙認していれば、家族が壊れてしまうだろう。"(信田さよ子『タフラブという快刀-「関係」の息苦しさから自由になるために』より)
" 「家族は社会の最小構成単位」などといわれるが、家族はまるで社会のゴミ処理場だなあ、と思うことがある。負の部分も腐った部分も引き受けて、社会を底辺で支えているのが家族なのだ。どんな社会にも非合法地帯が必要悪として存在しているが、家族もそんな役割を担っている。なぜなら、家族は治外法権であり、無法地帯だからである。
家族の中では、外の世界では犯罪とされていることが平然と行われている。性犯罪、暴力、窃盗などのあらゆる犯罪が許されている。社会が自由競争を煽り、自己責任を強調し、規律を強化すればするほど、人は家族の中でガス抜きをするようになる。ガス抜きをするのは男であり親であり、女や子どもはその犠牲となる。家族は社会の安全弁として機能しながらも、ますます無法地帯化し、DVや児童虐待が繰り返されるようになるだろう。
それらを放置し黙認していれば、家族が壊れてしまうだろう。"
(信田さよ子『タフラブという快刀-「関係」の息苦しさから自由になるために』より)